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airbnb 新サービス「補助ホストマーケット」が民泊過疎地域を救う。法的問題はないか民泊行政書士渡部が解説。

民泊の仲介サイト「airbnb」より、新たに「補助ホストマーケット」の機能が追加されました。

今までもairbnbの機能として補助ホスト機能はあったのですが、今回はホストと補助ホストをマッチングしてくれる機能のようです。

民泊を運営している人には必見の情報になりますので、今回は、「補助ホストマーケット」機能についてお話したいと思います。

1補助ホストとは

 補助ホストとは、リスティング所有者の宿泊施設の管理とゲスト対応をお手伝いする方のことです。通常、ご家族や近所の方、信頼できるご友人、ホストがリスティングの管理をお願いするために雇用している方などがこれに該当します。

 ホストはリスティングを作成する際に、ほかの方をリスティングに招待してサポートを求めることができます。リスティングの管理、問い合わせ対応、予約済みゲストへの連絡などを補助ホストにサポートしてもらえば、ホストはそのほかの業務に専念できます。

 例えば、リスティングページの作成、編集、ゲストとのメッセージや、料金設定など、リスティングのアクセス権限や業務の範囲を設定し補助ホストのサポートを受けることができます。

 他のOTAで第3者の補助を受けようと思った場合は、同じアカウントを共有するしかないところ、別のアカウントから補助を受けることができるという点、業務範囲を限定できるという点が珍しい機能であると言えます。

 今回の補助ホストマーケット機能は、全国の熟練ホストと繋がってサポートを受けるチャンスが出来るので、非常に魅力的です。

 ゲストのメッセージ対応に外国語だと不安がある場合、リスティングを第三者に見てもらって整備したいなど、幅広い需要に応えられるものです。

 今まで、民泊が少ない地域では、他のホストと繋がるチャンスも少なく、補助ホスト機能をうまく使えなかった人も多いと思います。

 民泊を始めたての人が、経験豊富な補助ホストのサポートを受けることが出来る、手が足りなくて、誰かに助けて欲しいという場合などに対応されるという点で将来性があるサービスではないでしょうか。

2補助ホストになるために資格は必要か

 

 では、補助ホストになるには資格は必要でしょうか。必要だとすると気軽に補助ホストに依頼することが難しくなります。

 この問題に関しては、結論からいいますと、一部の例外を除いて不要であると考えます。

 もう少し詳しく解説します。

2-1住宅宿泊管理業について

 

 住宅宿泊事業法第11条では、いわゆる不在型民泊の際には、一つの住宅宿泊管理業者に管理業務(法5条から10条の業務)を委託しなければならないことを規定しています。

 住宅宿泊管理業については、国土交通省に住宅宿泊管理業の登録申請を行い、登録を受けた業者でなくてはなりません。

 管理業者になるためには、宅建業者であったり、従業員に宅建士などがいるなどの資格要件もあり、どんな業者でもなることができるわけではありません。

(2024年より、住宅宿泊管理業講習制度が新設され、一部要件が緩和されました。詳しくはこちらの記事を 住宅宿泊管理業登録実務講習について(北海道札幌から全国へ) – 行政書士ユリイカ法務事務所

 住宅宿泊管理業務は以下のものがあります

<※法第5条から第10条の規定>

・宿泊者の衛生の確保(5条)

・宿泊者の安全の確保(6条)

・外国人観光旅客である宿泊者の快適性及び利便性の確保(7条)

・宿泊者名簿の備付け等(8条)

・周辺地域の生活環境への悪影響の防止に関し必要な事項の説明(9条)

・苦情等への対応(10条)

 なお、住宅宿泊管理業務は一部再委託も認められています。

2-2補助ホストの業務と住宅宿泊管理業

 Airbnbにおける補助ホストの業務は、リスティングの作成から、料金設定、清掃に関することやメッセージの管理など、多岐に渡ります。

 例えば清掃に関する者は住宅宿泊事業法第5条の衛生に関わる業務といえますが、住宅宿泊管理業を取得していない補助ホストが業務を引き受けることが可能かという疑問が湧くかと思います。

 この点に関しては、住宅宿泊事業法11条が規定しているのは、あくまでも管理業者に委託しなくてはならない場合を規定しているにすぎず、規定のない場合の委託に関してはなんら規定がないこと、また、管理会社に委託しなくてはならない場合であったとしても、再委託は認めていることから、補助ホストが管理業務の一部を行うことも問題ないと考えられます。

ケースに分けて考えてみましょう。

  • 居住型民泊のホストが、補助ホストに依頼する

 この場合、そもそも居住型民泊では、管理業務は全てホスト自身で行うことを前提に、管理会社への委託は不要となっています。

 ホストは原則としてゲストが滞在中は物件への常駐することが求められていますので、ゲストの対応はホスト自身が行います。

 しかし、リスティングの作成や、料金設定などの運営、清掃などを誰かに委託すること自体は制限されていません。

 ですので補助ホストに依頼すること自体は問題ありません。当然、委託を受ける補助ホストは住宅宿泊管理業の資格は必要ありません。

 ただし、ホストは滞在義務がありますので、補助ホストに依頼して自分が留守にするということは認められないので注意が必要です(日用品の購入などの外出は可能)

  • 不在型民泊のホストが、補助ホストに依頼する

 不在型民泊の場合、原則として管理業者に委託しなくてはならないことになっています。そのため、ホスト自身が補助ホストを利用することはもちろん、管理業者が再委託先として補助ホストを利用することが考えられます。

                                出典:民泊制度ポータルサイト

 補助ホストの業務は多岐に渡って選択できるようですので、いわゆる住宅宿泊管理業務に限らず、例えば、リスティングの作成や、インテリアデザインなどをお願いすることもできます。

 その場合は、自由に補助ホストにお願いすることが出来るといえます。ここでも、委託を受ける補助ホストは管理業の資格は必要ありません。

 ただし、管理業務(法5条から10条)の業務を委託するのには少し注意が必要です。

既に管理業者に委託済みの場合

 この場合は、管理業者がホストの同意を得て、再委託先として補助ホストを利用することができます。補助ホストには管理業の資格は必要ありません。

管理業者に委託していない場合

 補助ホストの機能を利用して、住宅宿泊管理業者に法5条から10条までの管理業務を委託することとされた場合は、補助ホストは管理業者の資格が必要です。

 ただし、住宅宿泊管理契約を締結する際は、書面にて行うことが求められており(法34条)、民泊の届出の際には、締結時の交付書面の写しを提出することが法令上義務付けられています。

 ですので、新規の申請の際には管理業者とは既に契約が済んでいるケースが大半かと思います。

 注意が必要だとすれば、管理業者の変更などをする場合です。

 繰り返しになりますが、管理業者へ委託が必要な場合は一つの管理業者に法5条から10条までの管理業務をすべて委託しなくてはなりません。

 前の管理業者との契約を解消し、他の管理業者へ委託する際も同様ですので、補助ホストに一部委託したとしても要件を満たすものではありません。

 登録を受けた管理業者へ全部委託をし、変更届を提出しなければ、無管理業者状態となり、違法な状態になってしまうため、ホスト側は注意しなくてはいけません。

3その他、注意事項

補助ホストの業務の一覧を見ると、「届出.許認可に関する手続き」の項目があります。

 コチラに関しては、届出に関するサポートとして、例えば自身の届出をした際の経験や、問題について教えてあげるくらいのことであれば問題ないと考えます。

 しかし、実際に届出書を作成してあげるなどのサポートを行うことは法令違反になってしまう可能性がありますのでご注意ください。

行政書士法

第一条の二

行政書士は、他人の依頼を受け報酬を得て、官公署に提出する書類(その作成に代えて電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によつては認識することができない方式で作られる記録であつて、電子計算機による情報処理の用に供されるものをいう。以下同じ。)を作成する場合における当該電磁的記録を含む。以下この条及び次条において同じ。)その他権利義務又は事実証明に関する書類(実地調査に基づく図面類を含む。)を作成することを業とする。

2 行政書士は、前項の書類の作成であつても、その業務を行うことが他の法律において制限されているものについては、業務を行うことができない。

第十九条

行政書士又は行政書士法人でない者は、業として第一条の二に規定する業務を行うことができない。ただし、他の法律に別段の定めがある場合及び定型的かつ容易に行えるものとして総務省令で定める手続について、当該手続に関し相当の経験又は能力を有する者として総務省令で定める者が電磁的記録を作成する場合は、この限りでない。

4補助ホストについて

 熟練のホスト達に自分のリスティングをサポートしてもらえる「補助ホスト」機能は、あなたのリスティングをより魅力的に輝かせることが出来る可能性を秘めています。

 使用に際しては、法令などに十分注意して、全国の素敵なホスト達と繋がってみましょう!

 行政書士ユリイカ法務事務所では、住宅宿泊事業(民泊)に関する様々な申請、相談を受けています。何かお困りの際には一度ご相談ください。

 

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