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豊島区の民泊規制から見る民泊の今後、旅館業法の可能性について

東京都豊島区において営業日数を大幅に制限する条例案が出ました。

1民泊に対する規制について


確かに、民泊をめぐるトラブルが存在することは否定できません。しかし、住宅宿泊事業法ではすでに、周辺地域の生活環境への悪影響を防止するための規定が整備されています。具体的には、第9条で周辺住民への説明義務第10条で事業者や管理業者による苦情対応義務を定めています。また、ガイドラインでは「届出住宅へすみやかに駆けつけられる体制」についても触れられており、さらに各自治体の条例で厳しい対応が求められるケースもあります。

今回、豊島区では全域で日数を大幅に制限する規制が打ち出されました。その根拠とされるのは住宅宿泊事業法第18条です。そこでは、生活環境の悪化を防ぐために「合理的に必要と認められる限度」で条例による営業日数制限を可能としています。

ここで重要なのは「合理的に必要な限度」という部分です。国会答弁でも「広範な区域で年間を通じて全面的に禁止するような過度な規制は適切でない」と繰り返し説明されています。つまり、事業制限は国民の経済的自由を制約するものである以上、合理的な理由が必要なのです。

用途地域ごとに一定の制限を設けることは理解できます。たとえば、

  • 住居専用地域は土日のみ営業とする
  • 学校近隣100mは授業中は営業できないようにする

といった規制には納得感があります。

しかし豊島区のように、**商業地域を含む全域で「夏休み・冬休みのみ営業」**とする規制には疑問が残ります。商業地域ではホテルやカラオケ、映画館、パチンコ店、風俗関連営業施設まで建てられるのに、民泊だけが夏休みと冬休みしか営業できない理由はどこにあるのでしょうか。

この「なぜ?」に合理的な答えを示せないのであれば、その規制は本当に適切といえるのか。今後の民泊の健全な発展のためにも、冷静で合理的な議論が求められています。

2民泊は悪なのか

近年、豊島区の規制や大阪市の特区制度離脱といったニュースが話題となり、民泊に対して厳しい目が向けられています。確かに、一部には法令を無視した「ヤミ民泊」やトラブルを起こす事業者が存在します。しかし、法を守り、地域と共存を目指す事業者も多く存在していることを忘れてはなりません。

民泊の社会貢献の側面

民泊は「観光宿泊施設」としての機能だけではなく、さまざまな社会的活用の可能性を秘めています。実際に自治体や関連団体と連携し、次のような取り組みが進められてきました。

  • 災害時の避難場所
  • DV被害者のシェルター
  • 家出少年少女の一時的な避難先
  • 感染症流行時の隔離・避難先

民泊は住宅を転用しているため、キッチン、トイレ、浴室、洗面所といった生活設備が必ず備わっています。つまり「生活できる空間」として、通常の宿泊施設よりも柔軟に社会的役割を担うことができるのです。

注目すべきは「正しく運営される民泊」

ニュースでは規制や違法事業者ばかりが取り上げられがちですが、民泊の本来の価値はもっと広がりのあるものです。地域社会に貢献し、緊急時の受け皿ともなり得る「正しい民泊運営」にも目を向けていただきたいと考えています。

民泊は単なる宿泊事業ではなく、社会課題に寄り添う柔軟なインフラでもあります。今こそ、その役割を再評価する時ではないでしょうか。

3旅館業法について

条例による民泊の制限により危機感を抱いている事業者も多くいるでしょうが、一つ安心な方法はあります。

それは、民泊から旅館業への切り替えです。旅館業には営業日数の上限がなく、条件を満たせば年間を通じて宿泊事業を営むことができます。ホテル・旅館営業、簡易宿所営業など、物件の形態に応じた選択肢も用意されています。

豊島区の制限に関しては既存事業者にも適用されるとの話が持ち上がっており、資本を投下した事業者にとっては死活問題になっています。

もちろん、旅館業には消防設備や建築基準法上の要件など、民泊よりもハードルが高い部分があります。しかし、必要な条件を整え、許可を取得できれば、収益性・安定性・信頼性の面で大きなメリットがあります。

旅館業に関しては自治体によって申請難易度が大きく変わるため、簡単ではありませんが、そういった道も考えておく必要があるかもしれません。

旅館業法では、現在以下の3つの形態が定められています。

  • ホテル・旅館営業
    旧「ホテル営業」と「旅館営業」が統合されたもので、フロントを設けて(無人による方法もあり)宿泊サービスを提供する一般的な宿泊施設。
  • 簡易宿所営業
    ドミトリーやゲストハウス、カプセルホテルなど。相部屋や小規模施設に適しています。
  • 下宿営業
    1か月以上の長期滞在を前提に宿泊させる形態

旅館業の許可を取得すれば、

  • 営業日数に制限がなくなる
  • 宿泊者からの信頼性が高まる
  • 収益性と安定性が向上する

といったメリットがあります。一方、建築基準法や消防法の要件を満たす必要があるため、事前調査と準備が欠かせません。

当事務所では、民泊から旅館業への切り替えについてサポートしています。

もし疑問があればお気軽にお問い合わせいただければと思います。